家具・インテリアNEWS

Milano Design Week 2017

イタリアのミラノは年に2回開催されるミラノコレクションというファッションの展示会が有名ですが、ミラノサローネという家具の展示会でも有名な街です。家具の展示会としては世界最大の規模であり、ほぼ1週間かけミラノ市内各所で商談会やイベントが行われます。出展企業はイタリア国内の家具メーカーから国際的な有名企業、例えば日本のLEXUSや韓国のSAMSUNGなどの家具以外のメーカーも展示を行い合計で数百件以上の商談会があります。また近年では、この期間を「ミラノ デザイン ウィーク」と銘打ってより広いデザインの展示を行っています。最近では、ファッションブランドもイベントに参加する傾向にあります。

 
   

 

ミラノサローネは隔年でメインテーマが異なり「家具と照明&オフィス家具の展示」と「家具と水回り製品」の展示の年が交互に開催されます。2018年は「家具と水回り製品」の年になり、2019年は「家具と照明&オフィス家具の展示」になります。一般的には照明器具よりも水回り製品の方が集客が良く、よりミラノ市内が混雑すると言われています。

 

 

展示会場にはミラノの隣にあるRHO(ロー)市にある本会場と市内各所の中規模のコンベンションセンターやショールームなどがあります。また、毎年展示会やイベントが集中する地域があり、例えばTortona(トルトーナ)地区、Brera(ブレラ)地区、San Babila(サンバビラ)地区などがあります。その中でもトルトーナ地区は展示会としての歴史が古く、期間中は周辺の道路が車両通行制限になり、歩くことすら困難な状態になります。最も有名なコンベンションセンターの一つSuperstudio Piùは一日平均2万人集客します。

 

 

展示会では数多くの新作家具の発表と商談が行われ、家具メーカーにとってはその一年の大勢を決める一大イベントになっています。そのため、展示会は非常に豪華で魅力的なスタンドになっており各スタンドは日本円で数百万円から、数千万円をかけて製作されます。(平均的な1平米あたりの施工費は300ユーロ〜)スタンドは使い回しができないので、展示期間が終了すれば解体され、ほとんどの資材が破棄されます。

 
   

 
   

  ミラノで発表される家具の内で最も注目される商品はトレンドに沿った、もしくはトレンドを先取りした家具です。クラシックな家具もありますが規模としては非常に小さい商談です。元々イタリアにはカッシーナやB&Bイタリアのように国際的に有名な家具ブランドが数多くあり、世界中の有名デザイナーとコラボレーションした製品を発表しています。また、他のヨーロッパメーカーや、日本を含めたアジアのメーカーも数多く出展し成功を収めています。そのため、この期間はデザイナーやメーカーにとっても非常に重要なリサーチとして位置づけられています。ミラノサローネ期間中にも「今年のトレンド」と銘打った記事が数多く配信されますし、初夏の頃には雑誌でもトレンド特集記事が各メディアで発表されます。

 

 

特にヨーロッパ圏外のバイヤーにとっては主要メーカーが一堂に会し、この期間に初披露される

新作家具が集まるため、非常に内容の濃い展示会になっています。各メーカーの代表者は展示期間中、ミラノに滞在するため、直接責任者と大きな商談ができるのも大きな魅力の一つですし、数日かけて様々なデザインに触れることもまたミラノサローネの価値を常に高いレベルにキープする要因になっています。